家とバンド
まぁよくこういう喩えするとおもうんですが、おれもやってみることにする。
ドラムというのは基礎ですね。どっしりとなにがあっても耐えられる、揺らぐ事の無いリズム。家のすべてを支える、なくてはならない存在。
おれにとってはね。あくまで。ドラマーがいないバンドだってあるから。おれなりにですから。
そんでベースは柱、骨組みですね。ここでその家の強度と形が決まります。
ということで、ドラムとベースは家をつくるためには欠かせないモノであるということですね。実際そうですよね。
浅ぇーよって聞こえた今。うるさいここからだ。
で、ギター。ギターというかバッキングが、おれは壁だと思うのです。ピアノでもオルガンでもなんでもいい。とにかくバッキングが壁。コンクリート打ちっぱなしでもモルタルでも丸太でも砂壁でもなんでもいい。音が厚くなりますね。これで家ができました。
りっぱな家が建ちました。でもそれだけじゃ人は住めませんよね。住めない事はないが、物足りない。だってせっかくの立派な家の中には何もないのだから。なーんにもないんです。
そこに色を入れるのは、ベッドであり、カーテンであり、テーブルであり、いす、いす、いすであり、いすでありぃ、たんすであり、食器棚であり、ソファであり、絨毯であり、そして冷蔵庫であり、洗濯機であり、テレビ等々である、リードギター、ピアノ、ストリングス、ホーン諸々のメロディー楽器。であろう。
ここで、この家の個性が確立します。コンセプトというやつが確立します。
洋風、和風、折衷と。
ジャンルというよくわからんものが確定します。
おれは、そこを、その家を選んで気に入って、住む人がボーカルだと考える。
家というのは、どんなに凄い、いい家でも、人が住まないとものすごいスピードで朽ちるという。人が住んでこその家なんです。
ボーカルがいないイコールダメってんじゃない。
インストバンドやジャズ、クラシック音楽というのは城です。ものすごい技量(金、権力,価値)を認めて、それを残そうとがんばる一部の人によって、そこにあり続ける特別なもの。あまり一般的にみとめられづらいのはソコだと思う。憧れはあるんだろうがね。
ということで、ボーカルが一番大変、キツいっていうところはこういう理由なわけだな。
住む人次第ってことだから。
だから一番目立つ。自分の身体から直に出た音を武器とする。音をだすだけなら簡単だ。だれでもできる。
住み方なんです。
毎日毎日ピカピカに、だと息がつまります。かといってほったらかし放題だとゴミ屋敷。
住む人に全てがかかっている。
ただ、基礎工事手抜き、柱足りない、壁薄い、など不満があれば、その家は住めない、というか住みづらいし住みたくもない。
ですよね。
基礎だけは頑強、柱だけは太い、壁だけは厚い、もダメです。住みづらいことに変わりはない。
スゴい家である必要はないし、最高にいい家主である必要もない。
こわれるときゃこわれる。ひっこしもする。
住んでもらう方としては、安心して住める、帰るのが楽しみな家にしたい。
柱はもっと太く強くなりたいと切にかんがえる。